大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)790 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

各被告人等弁護人大曲実形同阿比留兼吉の上告趣意は、末尾添付の書面記載のと

おりである。

弁護人大曲実形の上告趣意について。

所論は、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

なお、昭和二六年法律三一三号附則四項による改正前の漁業法(旧漁業法)七〇

条の「所持」には、他人が魚類捕獲のため爆発物を使用して魚類を死に致らしめた

場合に、その情を知りながら浮んでいる魚類を拾い集めて所持することをも含むこ

とは、すでに当裁判所の判示したとおりである(昭和二六年(あ)四二七〇号同二

九年三月四日第一小法廷決定)。それ故、原判決には所論のような違法はない。

弁護人阿比留兼吉の上告趣意第一点について。

所論の鯖が日本の領海外で爆発物を使用して浮遊せしめた魚であつたということ

は、第一審判決の認定しない事実であるのみならず、控訴趣意において少しも主張

されず、従つて原判決によつて判断されていないのであるから、かかる事実を前提

とする違憲の主張は適法な上告理由とならない。そして被告人等が所論の鯖を所持

したのは、第一審判決の判示する第三蛭子丸船上であつたのであるから所論刑訴法

の違反も認められない。

同第二点及び第三点について。

所論は、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。そして、検察告が所論の

証拠の取調を請求し、被告人側が同意し、裁判所が取調決定をして取調済であるこ

とは、公判調書上明らかなので、第一審の公判手続には所論のような違法は認めら

れない。また、第一審判決の法令適用の示し方は正確ではないが、所論の漁業法七

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〇条とあるのは、改正前の旧漁業法七〇条を示したものと認められる。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り判決する。

昭和三〇年二月一五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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